0.05mm?!レーザー溶接でバリ補修する肉盛高さについて
こんにちは。
おかげさまでレーザー溶接職人、レーザー溶接機、人も機械も共に元気にさせていただいています。
台風の影響でしょうか、雨が降ったりやんだりが続く今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は、レーザー溶接で金型の補修、メンテナンスによくある”バリ補修のレーザー肉盛の高さ”をピックアップします。
レーザー溶接は、最小直径0.1mmの溶接ワイヤーを使用できます。
お客様には、肉盛高さ0.05mmの肉盛高さを求められることが最も多いパターンなので、そのような案件を例に進めましょう。

レーザー溶接機ALM300
直径(Φ)0.1mmの溶接ワイヤーを使用した場合・・・
母材となる金型と溶接ワイヤー、両方が溶け合って肉盛ができるので肉盛高さは、0.1mmよりも低くなるのは想像に容易いと思います。
お客様に「1回でどれくらいの高さを肉盛溶接できるのですか??」
と、聞かれることがあります。
私は「溶接ワイヤーの直径の約半分程は、肉盛できます。」
と答えいています。
これは、Maxの肉盛高さです。
溶接なので、山と谷がある凸凹のある鱗のような形状をしているので、その谷の部分の高さを目安としています。
山の頂点部分や山と谷の間の高さであれば、仕上げた時に肉盛量が少ないので溶接不良の原因になってしまいます。
お客様が仕上げることをイメージして、肉盛高さを低からず高からず・・・
程よい肉盛溶接の高さ0.05mm以上で仕上げやすい肉盛を目指す!
これがこのパターンの案件の肉盛溶接の目標となります。
そこで、溶接ワイヤーの種類と直径の選定がキーポイントになります。
およその目安として、Φ0.1mmの半分、肉盛の高さ0.05mm、
溶接ワイヤーΦ0.2mmの半分、肉盛溶接の高さ0.1mm、
溶接ワイヤーΦ0.3mmの半分、肉盛溶接の高さ0.15mm、
溶接ワイヤーΦ0.4mmの半分、肉盛溶接の高さ0.2mm、
溶接ワイヤーΦ0.5mmの半分、肉盛溶接の高さ0.25mm・・・となります。
溶接ワイヤーΦ0.1mmもしくは、Φ0.2mmこの辺りを駆使して行っています。
溶接ワイヤーΦ1mm以上のレーザー肉盛も可能!レーザー溶接機ALM300のセールスポイントとなっている地説明を受けた記憶がありますが、実際にはほぼ使用しません。
それは、母材への熱影響が大きくなり、金型に歪みなどの変形を及ぼす懸念があるからです。
また、TIG溶接(アルゴン溶接)でも可能な案件ではその方が、低価格となるのでわざわざレーザー肉盛をしないです。
さらに、レーザー溶接機械の溶接条件(電圧や周波数など)を高く設定することで故障のリスクにも繋がり結果、修理が必要になることがあるからです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
今日も、肉盛高さ0.05mm以上を目指してレーザー溶接しています!
今日の若き溶接職人
マスク着けています。
皆様も着けていると思いますが、夏場は特に息苦しいですね。
工場では、職人同士の距離は2メートル以上離れていることがほとんどなので溶接中はマスクの必要性は感じません。
ただ、訪問されるお客様はどのタイミングで来ていただけるか予想できないことも多く、接客となるとすぐにマスクを着け直す!
そうとすると、失礼ではないかと感じます。
そこで、ほとんどマスク姿で1日過ごしています。
今、ブログを書きつつ・・・ふと思い付きましたが、脱着のし易マスクがあれば快適に過ごせそうですね!
検討しましょう。